ダーチャショップ店主の村田弘志です。
2013年、セルフビルドのログハウスに移り住んで以来、自給自足を目指したダーチャ生活をいそしんでおります。
我が家のダーチャで収穫栽培した無農薬野菜やハーブに果物。地元で産出されたクレイなどオンラインでも実店舗でも販売してます。
【ダーチャショップ、その名前の由来】
ダーチャとは何か。ほとんど日本ではなじみの無い言葉ですが、ロシア語で自給自足型の住居付き菜園のことです。
本来ダーチャには歴史的な背景があります。旧ロシアが経済崩壊を迎えた際、国営農場が民間に解放されてできた小屋・別荘付き農地のことを指して言います。その後このダーチャのおかげで国民の大半は飢えをしのぐことができ、経済の再生を支えていくことができました。
現在、食糧自給率を高める政策もあって、ロシアでは6割(2011年夏の統計)近い国民がダーチャを所有し、週末家庭菜園にいそしんでいます。
その流れや影響はダーチャムーヴメントと呼ばれ、今や世界の多くの国々で個人やグループを中心に、新しい社会の仕組みを作り出していく核になりつつあるようです。
思えば私の父も、退職後このような流れを本能的に感じていたのでしょうか、小屋付きの菜園を自らつくり、毎日菜園に通っておりました。
父の亡き後、私は遠慮なく使えるようになった菜園に様々な木を植えていきました。菜園の周りを森林で覆うヴィジョンが以前から私の中にあったからです。
それはもっとも自然近い状態のなかで菜園を行う実験でもありました。
現在、ここは森化しつつあり、様々な鳥・昆虫・小動物などが集まり共生しています。
このような森林の中で行なう農法をアグリフォレスト・森林農法と呼ぶことを後々知りました。所々に様々な種類の野菜や果物などを植えることができますが、大量に生産することは困難なレイアウトが自然に成り立っています。
従来のような単一大量生産農法の考え方は、本来自然が共生している環境ではできない、自然からは外れた発想で、大きな自然のつながりから離れ孤立することで成り立つ農法です。なおかつそれが量を求めるあまり自他共に後々ダメージをもたらす結果になってきました。
我々人類の進化の過程で、この時代の人類はなんと言っても食べることへの関心と比重が生活の中でかなりを占めています。それは経済や環境にも多大な影響を与える基盤と言っていいでしょう。
それは人が食べるものをどのように作っていくか。従来の発想ならば、今日の環境は悪化の一途をたどるばかりですが、その根底を変えた発想は、元々あった共生の中で作ることに尽きます。
しかも、そのほうが楽に楽しくできて喜びが多いはずです。
我々は間違ったことを教え込まれてきた・あるいは見てきたにすぎず、本当のことを知らないで祖先の代から何世代もそれを引き継いで生きて来たに過ぎません。
そこを変えていくことは意識の中では大変困難なことです。
しかし種を明かせば、実はしごく簡単なことなのです。
たとえが適切であるとは言いがたいですが、手品のトリック同様です。
種明かしをすれば誰でもそれが納得がいくほど簡単でシンプルな方法だと分かります。それは理にかなった当たり前のやり方ともいえるのでしょう。
それが世界の環境や人類の未来を変えていく一つのもっともベーシックな方策になっているのだと思います。